和歌山県指定無形民俗文化財に指定される、日本最古の火祭り!
御燈祭(おとうまつり)✨
和歌山県新宮市にある神倉神社にて、毎年2月6日に開催されます。2025年の日程と詳細、歴史や祭りの魅力、アクセスや混雑状況などを紹介致します。
御燈祭(おとうまつり)とは
和歌山県新宮市の神倉神社にて、毎年2月6日に開催される勇大な火祭りです。
2004年に世界遺産に指定された「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部である神倉神社は、熊野三山のひとつである熊野速玉神社(くまのはやたまじんじゃ)の摂社。
1400年も前から続き、歴史と伝統があり日本最古の火祭りとしても知られています。
参加するのは男性のみ!!
上り子(のぼりこ)といわれ、白装束を身にまとい、荒縄を締め、草鞋をはいて参加します☆
上り子として参加する人は約2000人!!この上り子達が御神火を移した松明を持ち、神倉山の山頂から538段もある石段を駆け下りる姿が見ものです!! 圧巻の風景⛩✨
上り子達は気持ちが高ぶりヒートアップしているので、門が開くと一斉に駆け下りていきます。
でも、このような大事な祭礼では、事故が起こってはなりません。怪我などしたら本末転倒ですようね!
三世代でおじいちゃん~お孫さんで参加している人、幼い男の子のお子様と参加している方もいます。これだけの大勢の方達が皆で駆け出していくと大変なこと!
あくまで安全を考慮し、松明を持ちゆっくりと石段を下りていくのもOKです!
大勢、約2000人にも及ぶ人々全員が火が灯った松明をもち、山を下ってくる光景は炎の龍のようです。
松明
松明には様々な大きさがあります。
名前、住所、今年一年の願いを書いて持参します。
祭に向かう男達は、行き交う際に、この松明をぶつけあい「たのむでぇ~」と挨拶をします。その点もみていただくと、意気込みや、祭りが盛り上がる雰囲気を感じとれると思います。
参加者の思い
一度経験するとハマってしまう。
一度参加したら、それ以降毎年参加している。
達成感、みそぎ感を感じられる。
一年のリセットをし、また一年頑張ろうと思う。
との声が多数。
お亡くなりになられましたが、俳優の原田芳雄さんもその一人で、毎年このお祭りに参加されていたそうです。第二の故郷と仰っていました。
地元の方だけではなく、男性なら誰でも参加できます。県外にお住まいの方でも、毎年このお祭りに参加される方もいます。
興味をもった外国人の人まで。
それだけ、県外や、外国にまで注目を集めるお祭りであるということですね!
映画化された少女漫画の「溺れるナイフ」で出てくる火祭りのモデルにもなっています。映画では、小松菜奈と菅田将暉がダブル主演を務めました。
是非、このお祭りを知って興味をもった方は、上り子として参加してみるいいですね!
参加した人にしかわからない、ハマる魅力があると思います!
2025年の日程
御燈祭(おとうまつり) | |
日程 | 2025年2月6日(木) 17:00~21:30 |
開催場所 | 神倉神社 |
住所 | 和歌山県新宮市神倉1-13-8 |
MAP | |
問い合わせ先 | 0735-22-2840 (新宮市観光協会) |
スケジュール
おおまかにはなりますが、スケジュールをを伝えします。
祭のスタートが近づくにつれて、上り子達のボルテージが徐々に上がってきます。
まず衣装からの準備に取り掛かります。
白装束を身にまとい、腰から腹に荒縄を巻き草鞋を履いて準備を整えたら、16時頃から各所を出発し、三社参りに向かいます。
阿須賀神社、熊野速玉大社、妙心寺にて無事の下山と所願成就を願い参ります。
その後、神倉神社のご神体「ゴトビキ岩」付近に集合です。
この「ゴドビキ岩」は、熊野の神様が初めて降臨したという大事な場所です。
神職達が神事を終え、迎火大松明を運び、上り子達の元へやってきます。
例年通りだと、19時半頃~ 争うように上り子達は、大松明の火を自分の松明へ移します。上り子達は山頂へ集まり、境内に入ったのを確認されると、一度入口の木柵(もくさく)が閉じられます。
この時、当たり一面真っ赤です!!
熊野御燈祭(和歌山) pic.twitter.com/Nh8f5JGpyM
— 進撃のPicture (@roketdan5) February 5, 2023
20時になると、介錯により木柵が開かれ、上り子達は一斉に駆け下りていきます。
※神社麓の太鼓橋を結界として女人禁制となりますので、女性は山頂にはあがれません!!麓の沿道でみることとされています。
祭の魅力
1400年以上前から神倉神社に伝わる歴史あるお祭りです。しきたりも色々・・・(*‘∀‘)/
- 参加する男性は一週間前から精進潔斎の為、白いものしか口にできない制約。
- 女人禁制 (女性に触れてはならない。女性は参加できない。)
※精進潔斎とは、飲食を慎み身体を清め、汚れを避ける事。
※女人禁制としている祭もいくつかありますが、理由としては、女性は出産や月経があり血が汚れを意味し、女性は存在として不浄とされているから。ですが、女性を軽視するのではなく、祖先が神事を保存するために、男と女が互いに担うべき役割を分担しながら守り伝えてきたからであるとされています。
長く続く祭は、このようなしきたりが根強く継承されてきて、代々と受け継がれています。おじいちゃん~お孫さんまで、三世代で祭に参加するという夢が叶ったと話す家族や、毎年参加し子供の成長を感じると話すお父さん、祭りに参加する為に足腰を鍛えると、トレーニングするおじいちゃんがいます。
祭の魅力にどっぷりとハマってしまっている参加者は、毎年この祭りを楽しみにしています。
もう、祭りの開催が間近。今頃、祭り開催に向けて楽しみに準備を進めているのではないでしょうか!
歴史
紀元は熊野年代記に「敏達天皇三年(西暦574年)正月二日も神倉山が光を放ち、翌四年の正月六日夜、神倉火祭り始まる」とあるように1400年前の飛鳥時代から始まっっていたようです。
江戸時代には、今現代行われている祭が確立されていたとされ、新年を迎えるにあたって行われた、神倉聖による火の更新を意味すると考えられています。
各家々では、明かりを消し、真っ暗なままで新しい神の火が来るのを待ちます。
男性は下山したら、ただちに家に火を持ち帰らなければなりません。
その後、神聖な日を灯し、無病息災を祈り祝いの膳を囲うのです。
「なるほど~~」て感じですね。祭では様々な習わしがあり、おもしろいところです。
1400年前から先祖代々、伝えられてきた伝統ある祭。知れば知るほど祭の良さや、地域の特性、歴史など面白いものです。
毎年行われるこのお祭りを、楽しみにしている方も多いのです。
祭の醍醐味、歴史があるお祭りほど面白い!
女人禁制
女人禁制について少し書かせていただきます。
福岡の博多で行われる祭として有名な「博多祇園山笠」をご存じでしょうか?
筆者は博多で長年住んでいたことがあり、この祭りのことに詳しいのですが
このお祭りも、女人禁制の男の祭りです。祭の期間中は女性との接触をしてはなりません。祭に参加する男たちの奥様方、女性は「ごりょんさん」といわれ、役割として直会の準備などを行い、裏方で祭を支えています。
水法被や締め込みの洗濯なども大変です。「ごりょんさん」抜きではこの祭りの行事遂行は成り立たないとされています。
この御燈祭でも、男性が上り子として祭に参加して、御神火を各家まで持ち帰るという役目があり、女性は家で男性が帰ってくるのを待ち、そのあとに御馳走を食べる支度などをするという役目がしっかりとあります。
混雑状況
昨日は御燈祭の撮影に…!
新宮市が大いに盛り上がる1日でした!そして今日はお礼参りに同行して神倉神社を登り…
随所筋肉痛です🤣🤣 pic.twitter.com/4JqepHd4x5— 宮本遥菜🔥和歌山移住オンナ (@sawanmfg_haruna) February 7, 2024
色々調べていると、夕方から見物客の場所取りで混雑しだすとのことです。
麓の太鼓橋付近は、一番迫力があるところを見れる場所として特に混雑する様子です。
上り子達が下りてくる様子を見れる場所として、おススメスポットは、神倉神社から神倉小学校までの沿道だそうです。
遠くからでも、山頂で松明が燃え盛る様子から、階段を下りてくる様子が見れるので、人混みが苦手な方は少し離れた場所で見物するのも良いと思います。
駐車場・アクセス
駐車場
新宮駅 市営駐車場が有り
アクセス
紀伊自動車道 「熊野大泊」ICより約25㎞
紀伊自動車道 「すさみ南」ICより約65㎞
電車
JR紀勢本線「新宮」駅より 徒歩約20分
屋台
屋台はありません。
まとめ
男性の方ならば誰でも参加できるので、興味がある方は、是非とも一度参加してみてはいかがでしょうか?
観光客の見物客はそれほど、多くなさそうですが、参加する上り子達の姿を多くみかけることができるので、
ちょっと見てみたい!祭の雰囲気を味わいたい!
これから参加しようと思っているから下見に行ってみよう!
という方でも、祭を身近に感じてもらえるような機会になればいいなと思います。
参考になれば幸いです♡
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